概要

 高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額(※1)が、暦月(月の初めから終わりまで)で自己負担限度額(※2)を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。さらに、最終的な自己負担額の軽減として、世帯合算(※3)多数該当(※4)といった仕組みがあります。

 

  (※1)支払った額には、入院時の食事代、差額ベット代や保険外診療代等は含みません。

  (※2)自己負担限度額は、年齢や所得によって区分されます。

  (※3)世帯合算は、入院・外来・歯科・調剤等、被保険者全員の受診分を合算することができます。

      ただし、70歳未満は、レセプト1件につき自己負担が21,000円以上のみが合算の対象となります。

  (※4)多数該当は、直近の12ヶ月間で3回以上高額療養費の支給を受けている場合、4回目から、さらに自己負担限

      度額が引き下がります。ただし、70~74歳の場合、外来にかかる高額療養費は回数に含まれません。

 高額療養費の支給を受けるには、支払時に医療機関へ「限度額適用認定証」等を提示、もしくは、医療機関が「オンライン資格確認等システム」で適用区分を確認し、その場で自己負担限度額までに抑える方法(現物払い)と、あとから保険者へ請求する方法(償還払い)の2種類があります。

70歳未満の自己負担限度額

 適用区分  世帯全体の所得 自己負担限度額 多数該当
旧ただし書所得が901万円超  252,600円+{(総医療費-842,000円)×1%} 140,100円
旧ただし書所得が600万円超~901万円以下  167,400円+{(総医療費-558,000円)×1%} 93,000円
旧ただし書所得が210万円超~600万円以下    80,100円+{(総医療費-267,000円)×1%} 44,400円
旧ただし書所得が210万円以下    57,600円 44,400円
住民税非課税世帯    35,400円 24,600円

※旧ただし書所得とは、総所得金額-基礎控除43万円。

※総医療費とは、保険が適用される費用の総額で、差額ベッド代や食事療養費を含みません。

※多数該当とは、直近12ヶ月に4回以上高額療養費に該当した場合の4回目からの自己負担限度額です。

70~74歳の自己負担限度額

 適用区分  世帯全体の所得 自己負担限度額 多数該当
現役並みⅢ 課税所得が690万円以上  252,600円+{(総医療費-842,000円)×1%} 140,100円
現役並みⅡ 課税所得が380万円以上  167,400円+{(総医療費-558,000円)×1%} 93,000円
現役並みⅠ 課税所得が145万円以上    80,100円+{(総医療費-267,000円)×1%} 44,400円
一般所得者 いずれにも該当しない方

外来の場合 18,000円、入院の場合 57,600円

(年間上限 144,000円)          

44,400円
低所得Ⅱ 住民税非課税世帯(所得が一定以上) 外来の場合  8,000円、入院の場合 24,600円 考慮なし
低所得Ⅰ 住民税非課税世帯(所得が一定以下) 外来の場合  8,000円、入院の場合 15,000円 考慮なし

※総医療費とは、保険が適用される費用の総額で、差額ベッド代や食事療養費を含みません。

※多数該当とは、直近12ヶ月に4回以上高額療養費に該当した場合の4回目からの自己負担限度額です。

※外来にかかる個人単位の限度額該当の高額療養費の回数は、多数該当に考慮されません。

※年間上限とは、1年間(8月~翌年7月の間)の窓口負担の合計額に対しての限度額になります。

※低所得Ⅰとは、住民税非課税世帯で、世帯の世帯が一定基準(年金収入80万円等)以下の方が対象となります。

【現物払い】入院等で医療費が高額になり、窓口支払を一定額にとどめるには?

 令和3年10月1日より、マイナンバー制度による「オンライン資格確認等システム」が本格運用され、高額な医療を受ける場合に申請している「限度額適用認定証」の運用方法が変わりました。

 マイナ保険証を利用すれば、事前の手続きなく高額療養費制度における限度額を超える支払いが免除されます。

 限度額適用認定証の事前申請は不要となりますので、マイナ保険証をぜひご利用ください。

該当となる証類 

 1.国民健康保険限度額適用認定証

 2.国民健康保険限度額適用・標準負担額減額認定証

 3.国民健康保険特定疾病療養受療証(慢性腎不全等の方)

被保険者のメリット 

 限度額適用認定証の提示をしなくても、医療機関等が「オンライン資格確認等システム」で適用区分を確認して、高額療養費の自己負担限度額までの支払いに抑えられます。 

注意点

 医療機関等が「オンライン資格確認等システム」の本格運用ができていない場合は「限度額適用認定証」を求められる場合があります。

 その場合は、当組合に連絡(☎ 086-250-3170)していただき、本人確認後、ご自宅に「限度額適用認定証」を郵送します。有効期限が過ぎましたら、ご自身で破棄してください。

【償還払い】医療機関に支払ったのち払い戻しを受けるためには?

申請に必要な書類

 「国民健康保険高額療養費支給申請書」が必要です。

 高額療養費に該当すると思われる方には、診療を受けた2~3ヶ月後、組合員あてに書類を送付します。

支給までの流れ

 ①高額療養費に該当する可能性がある世帯に対して、申請書を送付します。

 ②申請書に必要事項を記入して、当組合へ提出してください。

 ③当組合にて審査を行い、「高額療養費支給決定通知書」を送付します。

  ・レセプト内容の疑義等により再審査となった場合は、決定金額が変わる場合があります。

 ④ご指定の金融機関に送金します。